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「その場所で取れたモンが一番美味いんじゃぁあああ」と思っている、いちおう研究者☆


by charlie-oncoming
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The chances are he will be elected.

 元留学生,インドネシア人の友達Sが,州知事選に立候補することになった。インドネシアの大学で研究を続けていたのだが,住民の方々から熱心に推薦され,立候補を決意したのだそうだ。
 
 現在,(多分)35歳のSはインドネシアの島の一つに生まれ,小中高大とトップの成績で卒業し,日本へ来てからも「平均睡眠時間3時間(S談)」で勉強し,うちの大学で博士号を取得した後帰国,現在インドネシアの某大学の助教授をやっている。私からしてみれば,スーパーマンのように見える。

  これだけの能力とステイタスを持っていると,
 「彼は元々金持ちの家に生まれ,能力とチャンスに恵まれてきた」
 ような感じもするが,実は全く正反対である。
 Sは一般的な家庭に生まれて(というよりも一般的よりはどうもどちらかというと貧しい家庭かも),高校と大学は働きながら通った。仕事が全部終わってから勉強するので,やっぱり昔から睡眠時間3時間だったらしい。
 そして何よりも凄いのは,Sは「私は頭が良くない。だから努力するのだ」と言って,決して奢ることなく努力を続けているところだ。Sが「頭良くない」って言ったって,日本基準で見ても,世界基準で見ても,かなり頭いいんだけど。
 しかも,Sが博士課程3年生の時,原因不明の病気で,彼は左腕に自分の大腿骨を移植し,大腿骨をチタン製人工骨と入れ替えると言う大手術をした。普通ならそこで留年決定となってしまいそうなものであるが,彼は博士課程を3年で,しかもかなり優秀な成績で卒業した(博士課程を3年で修了するのは,かなり大変なことである)。

 彼に与えられたチャンスは,もしかしたら平均よりも少なかったかもしれない。しかし,彼は努力で少ないチャンスを確実にものにしてきたと言える。いや,SはS自身の努力でチャンスを作っていったのだ。

 今,日本でも貧富の差が拡大し,子供たちや大人たちに与えられている教育や仕事における チャンスの格差も広がっているように感じる。しかし,その中で最もやってはいけないことは,最初からあきらめる,ということではないだろうか。チャンスはむしろ,Sのように自分で作っていくものなのかもしれない。

 小さな島の,決して豊かではない一人の少年が,こうして今知事になろうとしているように,誰だって,可能性は0ではないのだ。
 
by charlie-oncoming | 2005-04-26 18:44 | 研究日記